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コーマック・マッカーシー「ザ・ロード」読了


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いつもは面倒なので表紙画像は載せないのですが、この表紙はあまりに秀逸なので見ていただきたいと思いました。
この表紙がこの物語の世界観の全てです。

重く灰色の雲に閉ざされた空の下を父と子が歩いている。
最低限の必要な品とどうにかして手に入れることの出来たわずかな食料をショッピングカートに乗せて、ただ南を目指して旅を続ける。
核戦争か何かが起きて全ての動植物は死滅し、生き残った人間はわずかに残された保存食料を求めて争い、時には人間さえ食料として襲う。
冬が来る前に少しでも暖かい南に移動しなければやがて死を迎えることになるだろう。
崩壊後の世界に生まれた子供は、しかし天使のように純粋無垢で、自分が明日死ぬかもしれない状況の中にあっても他者を思い、何とか救うことが出来ないかと父に懇願する。
父にとっては少年がこの世界の全てだ。



ぼくたちは誰も食べないよね?
ああ。もちろんだ。
飢えてもだよね?
もう、飢えてるじゃないか。

* * *

ああ、やらない。
どんなことがあっても。
そう、どんなことがあっても。
ぼくたちは善い者だから。
そう。
火を運んでるから。
火を運んでるから。そうだ。
わかった。




会話に「カギかっこ」の付かない独特の文体が、読み進むにしたがってずんずん心に沁みてきます。
淡々とした筆致で語られる終末の世界はあまりに残酷で読んでいて胸が詰まる思いです。
たまに父子が食料を手に入れられるとホッとして、それまで自分が息を詰めて読んでいたことに気がつきます。
致死性のインフルエンザによって崩壊した世界を描いたキングの「ザ・スタンド」も凄いと思いましたが、ホラー小説ではない本作のほうがずっと怖かったです。

少年はうちのチビと同じか少し大きいくらいでしょうか。
子供を持つ親としては、「もし、自分だったら…」と考えずにはいられません。
まして父親であればもっと自分を投影して物語に引き込まれるのではないでしょうか。
そういう意味では読み手によって感じ方が変わる作品かもしれません。
もちろん、子供のいない人が読んでもうなること間違いなしの傑作です。

2007年ピュリッツァー賞受賞作。
秋にはヴィゴ・モーテンセン主演の映画が公開予定です。






Comment

こんばんわ

ママチャライダー様の記事を読んでいると
読んでみたくなりました!!
この本はそこらへんの本屋さんに売ってあるかなぁ・・・。
前回ママチャライダー様が読まれた
「わたしを離さないで」というのを今ずっと探しているんですがなかなかなくて;;
こっちもなかったらどうしよう;;
凄く読んでみたいんですが・・・。
こういうどっちかというと静かな物語とかっていうのは惹かれますね。
なおかつこっちまでその人の気分になれるっていうのもまた惹かれます。
あまり活字本の事はよく知らないので知れてよかったです♪
楽しみに探してみたいと思います。
有難うございます!!

おはようございます^^

崩壊後の世界ですか・・・
そういう世界をイメージすると
どうしても北斗の拳が出てくるな(汗

そういう世界であっても 善ある人として
ちゃんと生きていけるのかなって思いました。
みんな狂ってしまうのだろうね、、、
色々想像してると読みたくなってきました!

*生協乾燥ごぼう もう前になるけど 試しました♪
使いやすいし 甘くて すごく美味しかったです^^

いおんさま

両方アマゾンで買えますよ~。
「私を離さないで」の方は中古だと送料込みの¥500くらいから。こちらは文庫が出ていて新品でも¥800。「ザ・ロード」の方は映画公開を控えている話題本だからか、あまり安くなってませんが…。私は図書館で借りましたが、予約してすぐに回ってきましたよ。

田舎ママさま

「北斗の拳」は「マッドマックス2」に影響を受けているらしいですね。
この本は巻末の解説によると、「子連れ狼」(若山富三郎主演の映画版)と結構共通点があるらしいです(笑)。
ヴィゴ・モーテンセンの拝一刀、観てみたいですね~。
でも、けっこう衝撃的にグロいシーンもあるので、ダイレクトに映像化されてたらかな~りコワイかも…。

乾燥ごぼうお試しいただけましたか!!
なかなか優れものでしょ♪
我が家はいざという時の為に多めに買い込んでいますので、もう少し安いと嬉しいんですけどねえ~。

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Author:ママチャライダー
映画と読書をこよなく愛する一児の母です。
日々思うことをダラダラと書き綴っていきたいと思います。

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