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デニス・ルへイン「運命の日」読了


「ミスティック・リバー」で知られる、デニス・ルへインの最新作。
原書で700ページを越える大作で、とにかく重いです。
本自体の重さも重いんですが、内容も重い。
第一次大戦後の動乱のボストンを舞台に、アイルランド移民の警官一家の長男ダニーと、ギャングを殺してオクラホマから逃げてきた黒人のルーサー、二人の物語を軸に、その周りの様々な人間模様を描き、運命はうねりながら、誰も逆らえない大きな波へと流れ込んでいきます。

私は実はこの手の時代のものは苦手で、本書も何度か手に取るのを止めそうになりながら、読み終えました。それほど苦手な読み物でありながら、読みたいと思い、また最後まで読み通したのは作者がルへインだからです。
初期の私立探偵物、「ミスティック・リバー」、「シャッター・アイランド」と、どんどん作風が変わっていくルヘインですが、そのクオリティーは変わりません。
結末も苦いものが多いのに、読まなければ良かった、と思ったことは一度もありません。

本書には、ところどころにベーブ・ルースが登場し、主人公達とも少しかかわったりするのですが、このベーブ・ルースを出したことによって、物語への親近感が生まれるような気がします。
特に冒頭、ベーブ・ルースがルーサー達黒人チームとひょんなことから試合をすることになる顛末を描いた下りは、解説にもあるように、一本の短編小説としても読めるほどの完成度で、本書にグッと引き込まれていきます。

ネットでの書評を読むと、ダニーの恋人ノラが良い、という人が結構いるみたいですが、私はダニーの父親で、厳格な警察官であるトマス・コグリン警部が良かったです。
ルヘインの小説には単純に「いい人」「悪い人」で分けられる人間は出てこないのですが、読者からすれば、主人公とは違う価値観を持ち、陰で悪いことをしながらも、家族を守り、自分が信じる警官としての仕事を全うする姿には感動を覚えます。

「ミスティック・リバー」はクリント・イーストウッドによって映画化され大成功を収めましたが、本書もスパイダーマンシリーズのサム・ライミ監督によって映画化が決まっているそうです。前作「シャッター・アイランド」もマーティン・スコセッシ監督が現在撮影中とのことで、ますます快調なルヘインの今後の活躍に期待大です。


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映画と読書をこよなく愛する一児の母です。
日々思うことをダラダラと書き綴っていきたいと思います。

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